Plankton Ice in the Antarctic Ocean

プランクトンアイスは南極海のパックアイス中で広く見られる,プランクトンの繁殖により著しく着色された海氷である.海氷の面から見れば,この現象はプランクトンの増殖により着色した部分が選択的にとかされ,海氷の積雪層と海氷層とがサンドイッチをはがすように上下2層に分別する,融氷の1形式であり,生物学的には,ケイソウ(diatoms)を主とする1群の植物性プランクトン生活環の1形式である.すなわち,海氷上の積雪層で水面下にある部分にプランクトンが侵入増殖して,これを着色せしめるほどの量にまでなる.このプランクトンの数は通常の海水中のそれの10倍以上にも達する.生活環境としてのプランクトンアイスは,温度,...

Full description

Bibliographic Details
Main Author: Hiroshi MEGURO
Format: Article in Journal/Newspaper
Language:English
Published: National Institute of Polar Research 1962
Subjects:
geo
Online Access:https://doi.org/10.15094/00007154
https://doaj.org/article/d10f2cea874141b0ac2b222ceea7af1f
Description
Summary:プランクトンアイスは南極海のパックアイス中で広く見られる,プランクトンの繁殖により著しく着色された海氷である.海氷の面から見れば,この現象はプランクトンの増殖により着色した部分が選択的にとかされ,海氷の積雪層と海氷層とがサンドイッチをはがすように上下2層に分別する,融氷の1形式であり,生物学的には,ケイソウ(diatoms)を主とする1群の植物性プランクトン生活環の1形式である.すなわち,海氷上の積雪層で水面下にある部分にプランクトンが侵入増殖して,これを着色せしめるほどの量にまでなる.このプランクトンの数は通常の海水中のそれの10倍以上にも達する.生活環境としてのプランクトンアイスは,温度,日光の供給,空気,栄養塩の諸点からみて,一般に考えられている程きびしい異常のものではない.