保護スズガモで確認された吸虫 Cyclocoelidae の報告

2019年度は傷病鳥獣として例年より多くのスズガモ(Aythya marila)のが搬入された. 放野できず死亡した20羽の剖検の結果、4羽に呼吸器への寄生虫感染を確認し、うち1羽は寄生虫感染による窒息死が疑われた. 寄生虫は判定を行いCyclocoelidaeであることが判明した. Cyclocoelidaeは寄生により宿主へ病状を出すことは知られていなかったが、2013年にシンガポールの動物園で飼育鳥が呼吸不全で死亡した際、死亡原因の一つとなった報告されている. 今回の事例では、野生渡り鳥であるスズガモでのCyclocoelidae寄生が確認され、中間宿主(巻貝)が存在下での飼育鳥との同居...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 上手 裕子, 木戸 伸英, 近江谷 知子, 田中 宗平, 森角 興起, 内堀 杏子, 浅川 満彦
Format: Article in Journal/Newspaper
Language:Japanese
Published: 横浜市緑の協会 2022
Subjects:
Online Access:https://rakuno.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=7053
http://hdl.handle.net/10659/00007285
https://rakuno.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7053&item_no=1&attribute_id=21&file_no=1
Description
Summary:2019年度は傷病鳥獣として例年より多くのスズガモ(Aythya marila)のが搬入された. 放野できず死亡した20羽の剖検の結果、4羽に呼吸器への寄生虫感染を確認し、うち1羽は寄生虫感染による窒息死が疑われた. 寄生虫は判定を行いCyclocoelidaeであることが判明した. Cyclocoelidaeは寄生により宿主へ病状を出すことは知られていなかったが、2013年にシンガポールの動物園で飼育鳥が呼吸不全で死亡した際、死亡原因の一つとなった報告されている. 今回の事例では、野生渡り鳥であるスズガモでのCyclocoelidae寄生が確認され、中間宿主(巻貝)が存在下での飼育鳥との同居が起きた際には本吸虫の飼育鳥への感染の危険性が示唆された.