食パンが咽喉部を栓塞させたオオハクチョウ (Cygnus cygnus) 3例の剖検所見

Article 2005年から2010年にかけ、苫小牧市および別海町で発見されたオオハクチョウ3例について、酪農学園大学野生動物医学センターで剖検を行った。3例とも栄養状態は良好であり、外傷や外貌の汚れは認めなかった。内部所見としては暗赤色流動性の血液、心臓周辺を主とした各臓器および血管の鬱血、口腔および気管粘膜の溢血点、水・唾液などの液状成分により著しく膨化した食パンによる喉頭部閉塞が共通所見として認められた。喉頭閉塞では神経系の反射的心停止が知られることから、このような現象も今回の死因の一部と推察された。 journal article...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 吉野, 智生, 山田(加藤), 智子, 石田, 守雄, 長, 雄一, ENDO, Daiji, 遠藤, 大二, 浅川, 満彦, ASAKAWA, Mitsuhiko
Format: Other/Unknown Material
Language:Japanese
Published: 北海道獣医師会 2010
Subjects:
Online Access:https://rakuno.repo.nii.ac.jp/record/2994/files/S-2011-217_Endo.pdf
Description
Summary:Article 2005年から2010年にかけ、苫小牧市および別海町で発見されたオオハクチョウ3例について、酪農学園大学野生動物医学センターで剖検を行った。3例とも栄養状態は良好であり、外傷や外貌の汚れは認めなかった。内部所見としては暗赤色流動性の血液、心臓周辺を主とした各臓器および血管の鬱血、口腔および気管粘膜の溢血点、水・唾液などの液状成分により著しく膨化した食パンによる喉頭部閉塞が共通所見として認められた。喉頭閉塞では神経系の反射的心停止が知られることから、このような現象も今回の死因の一部と推察された。 journal article