2016年の南北両極の海氷減少について

北極での海氷減少はこれまでも観測されており、顕著な減少が2012年に起きた。2016年の最小面積も衛星観測が始まってから過去2位の少ない面積となった。9月には2位であったものの、その後の期間は海氷の成長が遅く、現在まで1位で最小面積を更新し続けている。一方で、南極では2014年には、衛星観測が始まってから最大面積を記録したが、翌2015年には7月という結氷時期にもかかわらず海氷面積の拡大が止まり、その後は最大から急転して面積最低の年となった。その後も面積が小さい状態が継続しており、北極の海氷面積減少と相まって、2016年の両極の海氷面積の和は著しい減少となっている。IPCC等、気候変動の予測に...

Full description

Bibliographic Details
Main Author: 榎本 浩之
Format: Conference Object
Language:Japanese
Published: 2017
Subjects:
Online Access:https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=14124
http://id.nii.ac.jp/1291/00014057/
Description
Summary:北極での海氷減少はこれまでも観測されており、顕著な減少が2012年に起きた。2016年の最小面積も衛星観測が始まってから過去2位の少ない面積となった。9月には2位であったものの、その後の期間は海氷の成長が遅く、現在まで1位で最小面積を更新し続けている。一方で、南極では2014年には、衛星観測が始まってから最大面積を記録したが、翌2015年には7月という結氷時期にもかかわらず海氷面積の拡大が止まり、その後は最大から急転して面積最低の年となった。その後も面積が小さい状態が継続しており、北極の海氷面積減少と相まって、2016年の両極の海氷面積の和は著しい減少となっている。IPCC等、気候変動の予測に関する話題でも、北極については今後どう減っていくか、南極については大きな変化や予測の不確定性が懸案となる。さらに、両極域でおきている広域の海氷変動と、北極のニーオルスン基地周辺、南極の昭和基地周辺からドームFにかけての地域の観測がもたらす情報との関連を探り、広域変化と地域で経験している変化をつなぐ展望を考える。 Polar Meteorology and Glaciology Group seminar / 気水圏コロキウム 日時:2月15日(水)10:00-10:50 場所:C301(3階セミナー室)