JARE-39, -40「しらせ」航路に沿った夏季南大洋インド洋区における 表層水中の動物プランクトン現存量

第39次および第40次日本南極地域観測隊夏期行動期間中(それぞれ1997年12月4日~12月13日及び, 1998年2月15日~月19日と1998年12月3日~12月20日及び1999年2月24日~3月19日), 南大洋インド洋区で南極観測船「しらせ」の航路に沿って表層海水をポンプ連続揚水し, プランクトンネットで3–8時間濾過して動物プランクトン試料を得た。動物プランクトンの湿重量測定を行い, 航路に沿って現存量を整理した。連続試料採取したにもかかわらず, 隣接した試料間においても現存量の変動は大きく, 動物プランクトンの不均一分布が伺えた。動物プランクトン現存量は「しらせ」南下時に顕著に認...

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Bibliographic Details
Main Authors: 工藤 栄, 伊倉 千絵, 高橋 晃周, 西川 淳, 石川 輝, 鷲山 直樹, 平譯 享, 小達 恒夫, 渡辺 研太郎, 福地 光男, Sakae Kudoh, Chie Ikura, Akinori Takahashi, Jun Nishikawa, Akira Ishikawa, Naoki Washiyama, Toru Hirawake, Tsuneo Odate, Kentaro Watanabe, Mitsuo Fukuchi
Format: Report
Language:Japanese
Published: 国立極地研究所/東海大学海洋学部水産学科/総合研究大学院大学極域科学専攻/東京大学海洋研究所/三重大学生物資源学部/(株)緑星社/国立極地研究所/国立極地研究所/国立極地研究所/国立極地研究所 2002
Subjects:
Online Access:https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=9174
http://id.nii.ac.jp/1291/00009174/
https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=9174&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1
Description
Summary:第39次および第40次日本南極地域観測隊夏期行動期間中(それぞれ1997年12月4日~12月13日及び, 1998年2月15日~月19日と1998年12月3日~12月20日及び1999年2月24日~3月19日), 南大洋インド洋区で南極観測船「しらせ」の航路に沿って表層海水をポンプ連続揚水し, プランクトンネットで3–8時間濾過して動物プランクトン試料を得た。動物プランクトンの湿重量測定を行い, 航路に沿って現存量を整理した。連続試料採取したにもかかわらず, 隣接した試料間においても現存量の変動は大きく, 動物プランクトンの不均一分布が伺えた。動物プランクトン現存量は「しらせ」南下時に顕著に認められる海洋前線通過時にしばしばきわだって大きくなり, その前後の海域で得られた値との格差は際立っていた。これら海洋前線では水温・塩分変動が大きく, 南大洋インド洋海区を四つの海域(亜熱帯海域, 亜南極海域, 極前線海域, 南極海域)に区切っている。2回の航海で得た現存量の平均値を比較したところ, 高緯度海域ほど平均値が大きくなる傾向があり, 南極海域で最大となった。南極海域の内でもプリッツ湾沖から東方にかけての海域(東経70-110°)で現存量が大きく, これまでの停船観測結果で推察されていた同海域の生物生産性が高いことに呼応する現象と考えられた。また, リュツォ・ホルム湾沖からアムンゼン湾沖の大陸近くの航行時に得られた現存量は, より沖合部を航行する東経110-150°間に得られた値よりも1/2程小さなものであり, さらに, 東経110°以東において大陸沿岸よりを航行したJARE-39とやや沖合いを航行したJARE-40で得られたデータ間でも前者の現存量が小さく, これらから南極海域では表層水中の動物プランクトン量が生物生産期間がより短くなると考えられる沿岸部ほど小さいことが推察された。今回表層水中で連続試料採取して得られた動物プランクトン湿重量値は, 過去四半世紀間に停船観測において同海域で主にプランクトンネット採集によって得られた値と大きくは異なってはいなかった。動物プランクトン分布の正確な測定のためには動物プランクトンの鉛直分布特性など考慮する必要があるが, 海域ごとの空間分布特性や海域内での変動性などの研究には今回のようなポンプ揚水による試料採集でも適用可能な部分が多く, その研究実施方法の容易さを考慮すると今後の長期的な動物プランクトンモニタリングなどに適した手法と思われた。 Wet weight of the net zooplankton biomass (>315μm, collecting NGG54 netting) in the surface water of the Indian Ocean sector of the Southern Ocean was analyzed using continuously pumped-up water from ca. 8m depth during the two cruises of the 39th (4 Dec.-13 Dec. 1997 and 15 Feb.-19 Mar. 1998) and 40th (3 Dec.-20 Dec. 1998 and 24 Feb.-19 Mar. 1999) Japanese Antarctic Research Expeditions (JARE). The biomass varied widely; even samples collected from the same water body (difference of distance among the samples were several-100 miles away) sometimes had differences of 2-3 orders of magnitude. The biomass obtained around ocean frontal regions such as the Sub-tropical Front, Sub-Antarctic Front and Polar Front, an ocean ridge area (Kerguelen plateau) and off Prydz Bay tended to show higher biomass than other areas, often exceeding 500mg/m^3. The mean biomasses among the 4 water bodies separated by the ocean fronts, were 50,68,76 and 137mg/m^3 in the Sub-tropical, ...