オングルカルベン トウ ニオケル アデリーペンギン ノ ハンショク ニツイテ ノ セイタイガク テキ カンサツ
P(論文) 1961年10月から1962年1月まで第5次の越冬中,オングルカルベン島のアデリーペンギンルッカリーにおいて,その生態を観察した.10月下旬になると北の海からルッカリーにやって来る.ここでは約110羽のアデリーペンギンが営巣する.つがいのペンギンは交互に石を拾ってきては巣をつくる.11月の初旬には交尾が盛んに行なわれ,11月の中旬頃からは産卵が行なわれるようになる.卵は2つずつ生まれる.生んだ雌は北の海の開水面へ餌とりに行く.雄だけが後にのこされて抱卵を続ける.20日位して再び雌が帰って来るまで待ちきれずに卵をおいて巣を去っていく雄のペンギンがいる.放置された卵はまもなくGiant...
Main Authors: | , , |
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Language: | English |
Published: |
国立極地研究所
1964
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Subjects: | |
Online Access: | https://nipr.repo.nii.ac.jp/record/7313/files/KJ00002476235.pdf https://doi.org/10.15094/00007313 https://nipr.repo.nii.ac.jp/records/7313 |
Summary: | P(論文) 1961年10月から1962年1月まで第5次の越冬中,オングルカルベン島のアデリーペンギンルッカリーにおいて,その生態を観察した.10月下旬になると北の海からルッカリーにやって来る.ここでは約110羽のアデリーペンギンが営巣する.つがいのペンギンは交互に石を拾ってきては巣をつくる.11月の初旬には交尾が盛んに行なわれ,11月の中旬頃からは産卵が行なわれるようになる.卵は2つずつ生まれる.生んだ雌は北の海の開水面へ餌とりに行く.雄だけが後にのこされて抱卵を続ける.20日位して再び雌が帰って来るまで待ちきれずに卵をおいて巣を去っていく雄のペンギンがいる.放置された卵はまもなくGiant Petrelやうろつきまわっているアデリーペンギンに食べられてしまう.結局,雌とうまく交代してヒナがかえったものはわずか33%だけだった.これはルッカリーがリュッツォホルム湾の奥にあるということ,すなわち,ちょうど抱卵期に開水面がオングルカルベン島の近くになく,遠くまで餌とりに行かねばならないということが孵化率を低下させたものであろう.雌雄交代で抱卵するが,抱卵期間は約35日であった.ヒナを育てる時期にはオングルカルベン島西のタイドクラックに開水面ができ,雌雄交代で餌をとってきてヒナに食べさせる.1月14日で観察は中止したが,一人立ちするヒナの数は産卵数の15%位のものであろう. departmental bulletin paper |
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