The Effect of Sea Ice upon the Climate of Syowa Base (METEOROLOGY) (<Special Publication>Antarctic Symposium in Tokyo, 1960)

第1次および第3次越冬気象観測の結果から,昭和基地の気候特性は大局的には,東方の隣接基地モーソンやデービスなどとよく似ているが,秋の気温がそれらの基地よりも高く,春の気温が低いという相違が見出される.この原因は,昭和基地沖合の海氷城の年変化が大きいためと考えられる.すなわち,ウエッデル海から北上して偏西海流によって東方に伸びる流氷舌が冬から春にかけて発達し,あたかも氷雪に掩われた陸地が拡大したかのようになり昭和基地は海洋から遠ざかることになるので,その流氷舌の影響のない西方の沿岸基地に比し低温となる理である.これを立証するため,昭和基地の風向別気温頻度分布および,各基地の気温と,基地から流氷縁...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 守田 康太郎, Yasutaro MORITA
Format: Report
Language:English
Published: Japan Meteorological Agency:The Japanese Antarctic Research Expeditions, 1956-57, 1957-58 and 1960-61 1961
Subjects:
Online Access:https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=7027
http://id.nii.ac.jp/1291/00007027/
https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7027&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1
Description
Summary:第1次および第3次越冬気象観測の結果から,昭和基地の気候特性は大局的には,東方の隣接基地モーソンやデービスなどとよく似ているが,秋の気温がそれらの基地よりも高く,春の気温が低いという相違が見出される.この原因は,昭和基地沖合の海氷城の年変化が大きいためと考えられる.すなわち,ウエッデル海から北上して偏西海流によって東方に伸びる流氷舌が冬から春にかけて発達し,あたかも氷雪に掩われた陸地が拡大したかのようになり昭和基地は海洋から遠ざかることになるので,その流氷舌の影響のない西方の沿岸基地に比し低温となる理である.これを立証するため,昭和基地の風向別気温頻度分布および,各基地の気温と,基地から流氷縁までの距離の関係をしらべた結果,予期通りの結果が得られ,昭和基地の春秋の気温異常値は海氷の影響であることが確かめられた.