| Summary: | 輿安嶺地域 (永久凍土地域) における林道凍害の大きな要因の一つである涎流氷の概略について述べ, 当地域の大規模な涎流氷への適用の可能性を調べるために採用した保温式盲暗渠による防止工法について報告する。1) 涎流氷は, 冬季に河川から溢れ出した水や湧水が積層凍結して形成される氷で, 米国アラスカ州ではAufeis, フィンランドではCrusty Iceと呼ばれ, 永久凍土地域ではよくみられる現象である。2) 涎流氷は大興安嶺林区における林道凍害の主要要因の一つであり, 1983年の調査によると総延長3, 863kmの林道において272カ所で涎流氷の発生がみられ, その除去作業に85. 1万元の費用が投入されている。3) 試験地における涎流氷は, 林道開設にあたって地下水層が掘削されたため地下水が湧出して形成されたものであった。4) 当試験地では, (1) 地下水の流量は大きいが透水断面が小さいので地下水を遮断しやすいこと (2) 地形が川に向かって傾斜しているため排水が容易なこと (3) 地下水位が低く, 路盤も比較的低いこと から, 保温式盲暗渠を採用し, 地下水を河川に導水した。5) 1984 - 1986年の2冬季の観測および1992年の現場調査では, 試験地での涎流氷の発生はみられなかった。 This paper describes the outlines of Xianliuping which causes the great damage for forest roads in Xing An Ling and the blind trench applied to prevent its formation. 1) Xianliuping is called Aufeis in Alaska and Crusty Ice in Finland and formed frequently in permafrost areas. 2) The blind trench applied to prevent the formation of Xianliuping is constructed easily and less expensively. 3) Xianliuping has not been formed in this place after the blind trench is constructed.
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