フィンランド・ロヴァニエミにおけるサンタクロースビジネスを軸とした観光戦略と地域資源マネジメント

本稿では,戦略的地域資源の開発とマネジメントにむけて,地元に固有の文化や建物,自然を活かした観光戦略と,新たに導入したコンセプトを軸とした観光戦略との組み合わせが街づくりを成功に導いた事例について井村(2019)が提案した地域資源分析モデル(IBEC モデル)にもとづいて検討する.地元固有の文化と新たに導入したコンセプトを組み合わせることはディレンマを生じる事が多い.新たに導入したコンセプトを持続可能な地域資源として定着させることも困難な課題である.フィンランド北部ラップランド地方にあるロヴァニエミという街は,「サンタクロースの公認ホームタウン」として,サンタクロースを軸に国内外からの観光客誘...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 井村, 直恵, イムラ, ナオエ, IMURA, Naoe, 陳, 韻如, CHEN, Yunju
Format: Other/Unknown Material
Language:Japanese
Published: 京都産業大学マネジメント研究会 2022
Subjects:
Online Access:https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/10737/files/KMR_40_133.pdf
Description
Summary:本稿では,戦略的地域資源の開発とマネジメントにむけて,地元に固有の文化や建物,自然を活かした観光戦略と,新たに導入したコンセプトを軸とした観光戦略との組み合わせが街づくりを成功に導いた事例について井村(2019)が提案した地域資源分析モデル(IBEC モデル)にもとづいて検討する.地元固有の文化と新たに導入したコンセプトを組み合わせることはディレンマを生じる事が多い.新たに導入したコンセプトを持続可能な地域資源として定着させることも困難な課題である.フィンランド北部ラップランド地方にあるロヴァニエミという街は,「サンタクロースの公認ホームタウン」として,サンタクロースを軸に国内外からの観光客誘致に成功している.北極圏という地理的特徴と,サンタクロースという著作権フリーなコンテンツを組み合わせ,地域のビジネスモデルとして競争力を構築する過程で,ロヴァニエミの地域資源戦略には2 度の大きな転換点があった.その機会を有効に活かし,政府,市,企業,関係者が協力して街づくりを行ってきたストーリーを事例研究で明らかにする. departmental bulletin paper