サハリン残留・帰国者学習の教材開発─国際理解教育の観点から─
本論では,国際理解教育研究の成果を手掛かりに,サハリン残留とその帰国者が抱える問題を取り上げた教材開発を行う。国際理解教育研究では,「人の移動」に関する教材開発がなされているが,「人の移動」については,「移動した(する)人」と同様,「移動できなかった/できない/しない人」にも着目すべきだと考える。サハリン残留日本人及び韓人は「移動できなかった/できない/しない人」事例の一つである。残留者の中にはすでに帰国した人もいれば,今なお残留している人もいる。それらの経験は重要な学習内容であり,残留は「人の移動」学習のキーコンセプトの一つとして位置づけられるべきと考える。サハリン残留・帰国者学習は,国籍も...
Main Authors: | , , |
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Language: | Japanese |
Published: |
共栄大学
2019
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ftkyoeiuniv:oai:kyoei.repo.nii.ac.jp:00000597 2023-12-24T10:24:35+01:00 サハリン残留・帰国者学習の教材開発─国際理解教育の観点から─ Development of Teaching Materials about the Studies of Left behind and Returnees from Sakhalin With a focus on International Education 太田, 満 オオタ, ミツル Ota, Mitsuru 2019-03-31 application/pdf https://kyoei.repo.nii.ac.jp/record/597/files/KJ01017-069.pdf jpn jpn 共栄大学 共栄大学研究論集 17 69 84 The Journal of Kyoei University AA1183870X 1348-0596 https://kyoei.repo.nii.ac.jp/record/597/files/KJ01017-069.pdf 2019 ftkyoeiuniv 2023-11-29T18:23:35Z 本論では,国際理解教育研究の成果を手掛かりに,サハリン残留とその帰国者が抱える問題を取り上げた教材開発を行う。国際理解教育研究では,「人の移動」に関する教材開発がなされているが,「人の移動」については,「移動した(する)人」と同様,「移動できなかった/できない/しない人」にも着目すべきだと考える。サハリン残留日本人及び韓人は「移動できなかった/できない/しない人」事例の一つである。残留者の中にはすでに帰国した人もいれば,今なお残留している人もいる。それらの経験は重要な学習内容であり,残留は「人の移動」学習のキーコンセプトの一つとして位置づけられるべきと考える。サハリン残留・帰国者学習は,国籍も民族も異なる多様な社会を生きてきた人々の経験と,北東アジア社会に広がる家族の様子を取り上げる点において,国民国家を基本枠組みとした相互理解のための教材とは異なる教育的価値を有する。また,サハリン残留・帰国者学習の中にサハリン先住民の内容を加えることで,戦後も続く植民地主義の影響を考える機会を提供する。 departmental bulletin paper Other/Unknown Material Sakhalin Kyoei University Repository |
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本論では,国際理解教育研究の成果を手掛かりに,サハリン残留とその帰国者が抱える問題を取り上げた教材開発を行う。国際理解教育研究では,「人の移動」に関する教材開発がなされているが,「人の移動」については,「移動した(する)人」と同様,「移動できなかった/できない/しない人」にも着目すべきだと考える。サハリン残留日本人及び韓人は「移動できなかった/できない/しない人」事例の一つである。残留者の中にはすでに帰国した人もいれば,今なお残留している人もいる。それらの経験は重要な学習内容であり,残留は「人の移動」学習のキーコンセプトの一つとして位置づけられるべきと考える。サハリン残留・帰国者学習は,国籍も民族も異なる多様な社会を生きてきた人々の経験と,北東アジア社会に広がる家族の様子を取り上げる点において,国民国家を基本枠組みとした相互理解のための教材とは異なる教育的価値を有する。また,サハリン残留・帰国者学習の中にサハリン先住民の内容を加えることで,戦後も続く植民地主義の影響を考える機会を提供する。 departmental bulletin paper |
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太田, 満 オオタ, ミツル Ota, Mitsuru |
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