ゼニガタアザラシとサケ定置網漁業の共存のための手法に関する研究 [全文の要約]

我が国におけるゼニガタアザラシ Phoca vitulina stejnegeri の最大の生息地である北海道襟裳岬周辺の地域(えりも地域)では,漁業を営む区域とゼニガタアザラシの行動圏が密接している。このため,ゼニガタアザラシの個体数の増加に伴い,サケ定置網漁業における漁業被害の範囲の拡大や頻度の増大が起きており,近年のサケ漁獲量の減少とも相まって非常に深刻な状況となっている。一方で,ゼニガタアザラシは地域のシンボルとして広く知られており,共存していくことが強く求められている。しかし,ゼニガタアザラシによる漁業被害の軽減及び個体群管理に係る技術的方策や,地域における共存のための制度・体制づく...

Full description

Bibliographic Details
Main Author: 蔵本, 洋介
Other Authors: 木村, 暢夫, 藤森, 康澄, 山村, 織生, 富安, 信
Format: Other/Unknown Material
Language:Japanese
Published: Hokkaido University
Subjects:
660
Online Access:http://hdl.handle.net/2115/86090
Description
Summary:我が国におけるゼニガタアザラシ Phoca vitulina stejnegeri の最大の生息地である北海道襟裳岬周辺の地域(えりも地域)では,漁業を営む区域とゼニガタアザラシの行動圏が密接している。このため,ゼニガタアザラシの個体数の増加に伴い,サケ定置網漁業における漁業被害の範囲の拡大や頻度の増大が起きており,近年のサケ漁獲量の減少とも相まって非常に深刻な状況となっている。一方で,ゼニガタアザラシは地域のシンボルとして広く知られており,共存していくことが強く求められている。しかし,ゼニガタアザラシによる漁業被害の軽減及び個体群管理に係る技術的方策や,地域における共存のための制度・体制づくりに関する知見は不足している。 そこで本研究では,漁業被害軽減のための技術的方策として,格子網をサケ定置網の箱網漏斗口に装着する漁網の改良試験を行い,被害軽減に有効な格子幅を明らかにした。また,サケ定置網に来遊するゼニガタアザラシの特徴を明らかにし,個体群管理の効果的な実施に資する知見をまとめた。さらに,えりも地域における順応的共同管理(ACM)の発展過程や取り組みの成果について評価を行い,今後,さらに取り組みを進めていくために求められる方策を提案した。 この博士論文全文の閲覧方法については、以下のサイトをご参照ください。 https://www.lib.hokudai.ac.jp/dissertations/copy-guides/