Report on Night Airglow Observation in the 5th Japanese Antarctic Research Expedition, 1960-61 : Latitude Dependency

第4次船上大気光(夜光)光電観測にひきつづき,第5次船上においても全く同様な装置と方法によって,大気光の4色観測が行なわれた.今次にあって,とくに留意された点は,標準光源の取扱い,とくに赤外波長域光源用白熱電球の電流規正系統である.結果は,前観測のそれと,多くの部分でかなりよく一致しており,すでにほぼ確立されていた5577Åの緯度効果に加えて,それ以外の大気光の緯度効果が,かなり確実につかめたと思われる.i)5577Å(OI禁制線)S20゜付近に極小がみとめられ,更に高緯度にむかって明らかな増加がある.季節変化がみとめられる.ii)5893Å(Na D線)S20°付近に極小がみとめられ,かつ季...

Full description

Bibliographic Details
Main Author: Bun-ichi SAITO
Format: Article in Journal/Newspaper
Language:English
Japanese
Published: National Institute of Polar Research 1962
Subjects:
Online Access:https://doi.org/10.15094/00007144
https://doaj.org/article/505bf9fb534349feb1bf455bde00173d
Description
Summary:第4次船上大気光(夜光)光電観測にひきつづき,第5次船上においても全く同様な装置と方法によって,大気光の4色観測が行なわれた.今次にあって,とくに留意された点は,標準光源の取扱い,とくに赤外波長域光源用白熱電球の電流規正系統である.結果は,前観測のそれと,多くの部分でかなりよく一致しており,すでにほぼ確立されていた5577Åの緯度効果に加えて,それ以外の大気光の緯度効果が,かなり確実につかめたと思われる.i)5577Å(OI禁制線)S20゜付近に極小がみとめられ,更に高緯度にむかって明らかな増加がある.季節変化がみとめられる.ii)5893Å(Na D線)S20°付近に極小がみとめられ,かつ季節変化が明らかである.この2点は5577Åのそれと相似している.さらに,この線の特徴としては,日変化量が小さく,全体として北半球が南半球の2倍程度の明るさをもつ.iii)6300Å(OI禁制線)S30°~40°に極小がみとめられ,より低緯度にむかって増加の傾向がある.季節変化は明らかでなく,むしろ太陽活動度によって支配され,日変化量も大きくなる.iv)近赤外(OH Meinel帯)緯度効果は5577Åと似ており,S20°付近とN10°~20°付近に極小がみとめられる.季節変化は小さい.