熱中症III度に対するウォーターパッド加温装置コントロールユニット(Arctic Sun体温管理システム)の活用

雑誌掲載版 熱中症III度に対してウォーターパッド加温装置コントロールユニット(Arctic Sun体温管理システム、Arctic Sun Temperature Management System:ASTMS)を用いて冷却を行った一症例を経験した。症例は58歳の男性。農作業中に意識消失した。Japan Coma Scale(JCS)300、腋下温42.0℃、けいれん重積状態であった。近医に搬送され、熱中症III度の診断で当院へ転院となった。ICUでASTMSを用いて冷却を開始したところ、42℃から38℃に体温下げることに3時間を要した。しかし、急速に進行するDICとなり治療に反応せずに救命す...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 稲垣, 泰好, イナガキ, ヤスヨシ, Inagaki, Yasuyoshi, 赤坂, 伸之, アカサカ, ノブユキ, Akasaka, Nobuyuki, 丹保, 亜希仁, タンポ, アキヒト, Tampo, Akihito, 川田, 大輔, カワタ, ダイスケ, Kawata, Daisuke, 鈴木, 昭広, スズキ, アキヒロ, Suzuki, Akihiro, 高畑, 治, タカハタ, オサム, Takahata, Osamu, 藤田, 智, フジタ, サトシ, Fujita. Satoshi, 岩崎, 寛, イワサキ, ヒロシ, Iwasaki, Hiroshi
Format: Article in Journal/Newspaper
Language:Japanese
Published: 2012
Subjects:
DIC
Online Access:https://amcor.asahikawa-med.ac.jp/modules/xoonips/detail.php?id=N704460003
https://amcor.asahikawa-med.ac.jp/modules/xoonips/download.php?id=N704460003
Description
Summary:雑誌掲載版 熱中症III度に対してウォーターパッド加温装置コントロールユニット(Arctic Sun体温管理システム、Arctic Sun Temperature Management System:ASTMS)を用いて冷却を行った一症例を経験した。症例は58歳の男性。農作業中に意識消失した。Japan Coma Scale(JCS)300、腋下温42.0℃、けいれん重積状態であった。近医に搬送され、熱中症III度の診断で当院へ転院となった。ICUでASTMSを用いて冷却を開始したところ、42℃から38℃に体温下げることに3時間を要した。しかし、急速に進行するDICとなり治療に反応せずに救命することができなかった。救命できなかった原因は42℃を超える高体温が続いているのにもかかわらず、転院までの約2時間に有効な冷却がなされなかったことが挙げられる。ASTMSは非侵襲的で簡易な装置であり、冷却効率も良いため、熱中症における冷却方法として推奨される。