昭和基地付近の露岩地域に存在する湖沼のホウ素含有量について

リュツォ・ホルム湾東岸(東南極大陸・プリンスオラフ海岸)の露岩地域に点在する湖沼49から得られた試料水76について,溶存するホウ素の量をメチレンブルー吸光光度法により測定した。最小値は定量限界(4×10^<-3>mg/l)以下であり,最大値は34mg/lであった。ホウ素量は塩化物イオン量と強い正の相関を示し,海水に対する濃縮係数は0.34~1.79であった。これら湖沼水中の溶存成分は,その供給源の大部分が海洋であると考えられているが,海岸からの距離が近い露岩地域の湖沼水では,風送塩の生成・運搬過程でのホウ素の分別・濃縮などの効果は,ほとんど見られなかった。...

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Bibliographic Details
Main Author: 村山 治太
Format: Report
Language:Japanese
Published: 横浜国立大学 1979
Subjects:
Online Access:http://hdl.handle.net/10131/3003
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=1646
https://ynu.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=1646&item_no=1&attribute_id=20&file_no=1
Description
Summary:リュツォ・ホルム湾東岸(東南極大陸・プリンスオラフ海岸)の露岩地域に点在する湖沼49から得られた試料水76について,溶存するホウ素の量をメチレンブルー吸光光度法により測定した。最小値は定量限界(4×10^<-3>mg/l)以下であり,最大値は34mg/lであった。ホウ素量は塩化物イオン量と強い正の相関を示し,海水に対する濃縮係数は0.34~1.79であった。これら湖沼水中の溶存成分は,その供給源の大部分が海洋であると考えられているが,海岸からの距離が近い露岩地域の湖沼水では,風送塩の生成・運搬過程でのホウ素の分別・濃縮などの効果は,ほとんど見られなかった。