Summary: | Remarkable discoloration has been produced as a result of the inoculation of Fomitopsis annosa in the roots of living Sakhalin fir (Abies sachalinensis MAST.) in the period of two years, though the length of which could not be determined accurately. White pitted decay characteristic to the fungus has already been formed in some of the roots near the inoculated point. Regarding the difference in the length of discoloration between two opposite directions from the inoculated point, it may be explained by the cooperation of enzymes, such as oxidases secreted extracellularly by the fungus acting upon wood components of roots, capillary action, and flow of sap, etc. 東京大学北海道演習林内のトドマツ天然林は根株腐朽によって著しい被害をうけており,その主要な腐朽菌はマツノネクチタケであることが明らかとなった。しかも,本菌は根系を通して被害を拡大していくことが知られるに至ったので,一度本菌が根に侵入したならば,どの位の速さで腐朽或は変色が進んでいくものかを確かめることを目的として,生立木及び伐倒後1年を経過した伐根の根に本菌を接種して満2年間放置し,腐朽及び変色の状況を精査した。その結果,伐根には既に他の腐朽菌が侵入していたために活着が認められなかったが,生立木の根にはよく活着した。樹幹の方向への変色は極めて早く,採取した資料の殆ど総てについて,資料の長さよりも先迄変色が進んでいたために,その限度を知ることが出来なかった。又樹幹と反対方向への変色は資料の約半数のものについて確認出来た。資料の数が非常に多かったのでその一つ一つについては確認することは出来なかったが,あるものでは既に本菌特有の白色孔状腐朽が明らかにみとめられた。菌の進行方向の違いによって変色の距離が異なることは,本菌の分泌する酸化酵素等が方向によって到達距離に差があることが主要な原因であると考えられる。 departmental bulletin paper
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