Studies on organic compounds in carbonaceous chondrites from Antarctica

筑波大学 University of Tsukuba 博士(理学) Doctor of Philosophy in Science 隕石は地球外物質であり,太陽系生成過程の情報を持っている試料としては,人類が入手し得る唯一のものである。隕石については,多くの研究が行われているが,隕石中に含まれる有機化合物についての研究は立ち遅れている。著者は南極大陸で採集された有機化合物を含む「炭素質隕石」を試料とし,これらの中に炭化水素,カルボン酸,アミノ酸などが存在することを精密な分析により明らかにし,炭素質隕石中に含まれる炭素化合物の存在形態を解明しようとした。 第1章は著者自身による南極大陸における陽...

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Bibliographic Details
Main Authors: 奈良岡, 浩, 34719, Naraoka, Hiroshi
Language:Japanese
Published: 1990
Subjects:
Online Access:https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/8337/files/A0739.pdf
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spelling fttsukubauniv:oai:tsukuba.repo.nii.ac.jp:00008337 2023-12-31T10:00:07+01:00 Studies on organic compounds in carbonaceous chondrites from Antarctica 奈良岡, 浩 34719 Naraoka, Hiroshi 1990 application/pdf https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/8337/files/A0739.pdf jpn jpn 本文はOPACにあり https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/630798 甲第739号 https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/8337/files/A0739.pdf open access 1990 fttsukubauniv 2023-12-06T21:18:01Z 筑波大学 University of Tsukuba 博士(理学) Doctor of Philosophy in Science 隕石は地球外物質であり,太陽系生成過程の情報を持っている試料としては,人類が入手し得る唯一のものである。隕石については,多くの研究が行われているが,隕石中に含まれる有機化合物についての研究は立ち遅れている。著者は南極大陸で採集された有機化合物を含む「炭素質隕石」を試料とし,これらの中に炭化水素,カルボン酸,アミノ酸などが存在することを精密な分析により明らかにし,炭素質隕石中に含まれる炭素化合物の存在形態を解明しようとした。 第1章は著者自身による南極大陸における陽石採集の記録である。著者は第29次日本南極地域観測隊(1987年11月~1989年3月)に参加し,セール・ロンダーネ山脈付近の裸氷帯での約60日にわたる探査の結果,炭素質コンドライト約30個を含む約2000個の隕石を採集した。 第2章において,南極産隕石中に含まれるカルボン酸の分析結果を示した。分析操作は全てクリーンルーム中のクリーンベンチ上で行われ,ガラス器具は500℃で焼き,又溶媒は注意深く精製された。隕石からは23種のカルボン酸が同定され,C4,C5の脂肪酸では可能な異性体の全てが,C6では8種の異性体のうち6種が同定された。炭素数が大きくなると(n>7)相対的に直鎖型カルボン酸の含量が多くなることは興味ある事実である。又,芳香族カルボン酸も同定された。 第3章では隕石中の芳香族炭化水素の分析を行い,43種の芳香族炭化水素を同定した。これらの中にはS,O,Nを含む複素環化合物も含まれている。ジメチルナフタレンでは考えられる10種の異性体のうち8種の異性体が認められた。 第4章は隕石中の脂肪族炭化水素の分析結果である。同定されたアルカンはC12-C24であるが,その存在量は芳香族炭化水素に比べて1桁少ない。長鎖炭化水素において,直鎖のものが優位に存在することは,脂肪酸の場合と同様,その反応が何らかの規制された条件下で進行していることを示唆している。 第5章では隕石を抽出し,加水分解により見い出されるアミノ酸分析の結果を示している。熱水抽出物は加水分解することにより,アミノ酸量が増大するので,アミノ酸が遊離の状態で存在するのではなく,何らかの前駆体の形で存在していることを示している。加水分解前に6種,加水分解後に17種のタンパク構成アミノ酸及び非タンパク構成アミノ酸が見い出され,それらは何れもラセミ体であり非生物的起源のものであることを示している。 第6章において,溶媒抽出により炭化水素,カルボン酸,アミノ酸が検出されない炭素質コンドライト(CM2)が存在することを見い出した。 第7章において,炭素質コンドライトの基礎的知見として24種の隕石について,炭素,窒素含量及び炭素の安定同位体比を測定し,炭素量の増大と共に含有炭素が同位体的に重くなることを見い出した。 It has been an interesting subject to ensure the presence of organic compounds in meteorites, which are solid objects that fall onto the Earth from space. Meteoritic organic matter has been found especially in carbonaceous chondrites, which seems to be the most primitive meteorites in the solar system, because they are low temperature condensate containing water, . 1989 doctoral thesis Other/Unknown Material Antarc* Antarctica University of Tsukuba Repository (Tulips-R)
institution Open Polar
collection University of Tsukuba Repository (Tulips-R)
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language Japanese
description 筑波大学 University of Tsukuba 博士(理学) Doctor of Philosophy in Science 隕石は地球外物質であり,太陽系生成過程の情報を持っている試料としては,人類が入手し得る唯一のものである。隕石については,多くの研究が行われているが,隕石中に含まれる有機化合物についての研究は立ち遅れている。著者は南極大陸で採集された有機化合物を含む「炭素質隕石」を試料とし,これらの中に炭化水素,カルボン酸,アミノ酸などが存在することを精密な分析により明らかにし,炭素質隕石中に含まれる炭素化合物の存在形態を解明しようとした。 第1章は著者自身による南極大陸における陽石採集の記録である。著者は第29次日本南極地域観測隊(1987年11月~1989年3月)に参加し,セール・ロンダーネ山脈付近の裸氷帯での約60日にわたる探査の結果,炭素質コンドライト約30個を含む約2000個の隕石を採集した。 第2章において,南極産隕石中に含まれるカルボン酸の分析結果を示した。分析操作は全てクリーンルーム中のクリーンベンチ上で行われ,ガラス器具は500℃で焼き,又溶媒は注意深く精製された。隕石からは23種のカルボン酸が同定され,C4,C5の脂肪酸では可能な異性体の全てが,C6では8種の異性体のうち6種が同定された。炭素数が大きくなると(n>7)相対的に直鎖型カルボン酸の含量が多くなることは興味ある事実である。又,芳香族カルボン酸も同定された。 第3章では隕石中の芳香族炭化水素の分析を行い,43種の芳香族炭化水素を同定した。これらの中にはS,O,Nを含む複素環化合物も含まれている。ジメチルナフタレンでは考えられる10種の異性体のうち8種の異性体が認められた。 第4章は隕石中の脂肪族炭化水素の分析結果である。同定されたアルカンはC12-C24であるが,その存在量は芳香族炭化水素に比べて1桁少ない。長鎖炭化水素において,直鎖のものが優位に存在することは,脂肪酸の場合と同様,その反応が何らかの規制された条件下で進行していることを示唆している。 第5章では隕石を抽出し,加水分解により見い出されるアミノ酸分析の結果を示している。熱水抽出物は加水分解することにより,アミノ酸量が増大するので,アミノ酸が遊離の状態で存在するのではなく,何らかの前駆体の形で存在していることを示している。加水分解前に6種,加水分解後に17種のタンパク構成アミノ酸及び非タンパク構成アミノ酸が見い出され,それらは何れもラセミ体であり非生物的起源のものであることを示している。 第6章において,溶媒抽出により炭化水素,カルボン酸,アミノ酸が検出されない炭素質コンドライト(CM2)が存在することを見い出した。 第7章において,炭素質コンドライトの基礎的知見として24種の隕石について,炭素,窒素含量及び炭素の安定同位体比を測定し,炭素量の増大と共に含有炭素が同位体的に重くなることを見い出した。 It has been an interesting subject to ensure the presence of organic compounds in meteorites, which are solid objects that fall onto the Earth from space. Meteoritic organic matter has been found especially in carbonaceous chondrites, which seems to be the most primitive meteorites in the solar system, because they are low temperature condensate containing water, . 1989 doctoral thesis
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publishDate 1990
url https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/record/8337/files/A0739.pdf
genre Antarc*
Antarctica
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op_relation 本文はOPACにあり
https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/opac/volume/630798
甲第739号
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