サハリン発見「アイヌ鎧」の年代について

1933 年に伊東信雄により樺太で発見された2 領のアイヌ鎧は、主としてその構造が古墳時代の挂甲に類似していることから、平安初期(9 世紀)の所産と推定されていた。しかし、11 から12 世紀に生まれ、鎌倉時代以降に盛んに用いられた「腹巻鎧」との構造的な類似性をもつと推定される。そして、鎧自体の特徴は、北東アジアのチュクチ族などの前合わせ式鎧と共通していて、その伝統に倣った上で、日本式鎧の縄目縅、菱縫などの製作技法を取り入れて作られた可能性が高い。また、サハリンに残されたアイヌ鎧に見られる巴文が、南北朝以降の型式であり、新たに確認された松皮菱文は、武田氏に関連することから、15世紀に蠣崎氏(武...

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Bibliographic Details
Main Authors: 梶原, 洋, カジワラ, ヒロシ, Kajiwara, Hiroshi
Format: Other/Unknown Material
Language:Japanese
Published: 東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館 2021
Subjects:
Online Access:https://tfulib.repo.nii.ac.jp/record/844/files/pp.43-50 梶原洋.pdf
https://doi.org/10.57314/00000791
https://tfulib.repo.nii.ac.jp/records/844