第43, 44次南極地域観測隊における流星バースト通信設備を用いたデータ伝送実験(宇宙利用システム)

本論文では, 筆者らが南極大陸で行った流星バースト通信(MBC)実験のうち, 第43, 44次南極観測において行ったデータ伝送実験の概要とその実験結果を報告する.43次隊では, マスタ局を昭和基地(日本), リモート局を中山基地(中国)に設置し, リモート局で定期的に生成されるデータを, 米国Meteor Communications Co.(MCC)社製のMBC装置を用いてマスタ局へ伝送する実験を行った.44次隊では, リモート局としてドームふじ観測拠点(日本)を加えて, 二つのリモート局からデータを伝送する実験を行った.実験結果から, この地域では, 流星バーストのほかに, 主に夜間(地方...

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Bibliographic Details
Main Authors: 椋本 介士, 福田 明, 吉廣 安昭, 中野 啓, 大市 聡, 長澤 正氏, 山岸 久雄, 佐藤 夏雄, 門倉 昭, 楊 恵根, 姚 明旿, 張 森, 何 国経, 金 力軍
Format: Article in Journal/Newspaper
Language:Japanese
Published: 電子情報通信学会 2005
Subjects:
547
Online Access:http://hdl.handle.net/10297/5430
https://shizuoka.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=4816
Description
Summary:本論文では, 筆者らが南極大陸で行った流星バースト通信(MBC)実験のうち, 第43, 44次南極観測において行ったデータ伝送実験の概要とその実験結果を報告する.43次隊では, マスタ局を昭和基地(日本), リモート局を中山基地(中国)に設置し, リモート局で定期的に生成されるデータを, 米国Meteor Communications Co.(MCC)社製のMBC装置を用いてマスタ局へ伝送する実験を行った.44次隊では, リモート局としてドームふじ観測拠点(日本)を加えて, 二つのリモート局からデータを伝送する実験を行った.実験結果から, この地域では, 流星バーストのほかに, 主に夜間(地方時)にオーロラに起因すると思われる伝搬現象が頻発し, この現象もデータ伝送に利用可能であることが判明した.また, 南極域に低VHF帯電波を用いたデータ収集網を構築する際に有用となる様々な実際的データ(受信率の日変動や季節変動など)が得られた. publisher