Intrinsically photosensitive retinal ganglion cells in bullfrogs
第三の光受容器として注目されている内因性光感受性網膜神経節細胞は,視細胞の活動を介さず,視物質としてメラノプシンを持ち,単体で光刺激に対して電気的な活動を示すことが可能である。メラノプシン陽性神経節細胞とも呼ばれるこの細胞は,概日リズム形成などの非撮像的機能への関与の可能性が指摘されている。本研究では,ウシガエルの剥離網膜標本に白色光と赤色光の刺激を呈示し,神経節細胞の活動電位を測定することで,内因性光感受性網膜神経節細胞の有無について調べた。その結果,白色光に対してゆっくりと立ち上がる持続的なON応答を示すが,赤色光に対してはそのような応答を示さない細胞が観察された。さらに神経節細胞における...
Main Authors: | , |
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Format: | Other/Unknown Material |
Language: | Japanese |
Published: |
専修大学人間科学学会
2022
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Subjects: | |
Online Access: | https://senshu-u.repo.nii.ac.jp/record/12762/files/1071_0012_07.pdf |
Summary: | 第三の光受容器として注目されている内因性光感受性網膜神経節細胞は,視細胞の活動を介さず,視物質としてメラノプシンを持ち,単体で光刺激に対して電気的な活動を示すことが可能である。メラノプシン陽性神経節細胞とも呼ばれるこの細胞は,概日リズム形成などの非撮像的機能への関与の可能性が指摘されている。本研究では,ウシガエルの剥離網膜標本に白色光と赤色光の刺激を呈示し,神経節細胞の活動電位を測定することで,内因性光感受性網膜神経節細胞の有無について調べた。その結果,白色光に対してゆっくりと立ち上がる持続的なON応答を示すが,赤色光に対してはそのような応答を示さない細胞が観察された。さらに神経節細胞における視細胞由来のON応答を抑制するL-AP 4を投与したところ,このゆっくりと立ち上がる持続的なON応答は残存した。これらの結果から,ウシガエルに視物質としてメラノプシンを持つ内因性光感受性網膜神経節細胞が存在する可能性が示唆された。 departmental bulletin paper |
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