アイスコアとフィルン空気の分析から探る氷期の南極内陸におけるフィルンの厚さ

アイスコアに含まれる空気は、もともとはフィルン(氷床上部の通気性のある層、50~100m程度)の底部で大気から隔絶されたものであるため、同じ深度の氷より常に若くなる。この「氷と空気の年代差」は涵養量とフィルンの厚さに応じて空間的・時間的に変化する。低涵養量の南極内陸では、現在で2500年、氷期の最寒期では5000年ほどに達するため、その正確な推定は古環境復元にとって重要である(特に、二酸化炭素濃度と南極の気温の変動の時間関係を知りたい場合など)。氷と空気の年代差の推定にはフィルンの圧密モデルを用いるが、モデルが推定する氷期のフィルンの厚さと、アイスコアの気体(窒素やアルゴン)の重力分離から推定...

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Bibliographic Details
Main Authors: 川村 賢二, Kenji Kawamura
Format: Conference Object
Language:Japanese
Published: 2016
Subjects:
Online Access:https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=12725
http://id.nii.ac.jp/1291/00012664/