氷床探査レーダーの開発及び現地での運用状況
南極大陸は基盤上の厚く広大な氷に象徴される大陸である.南極における種々の科学調査で氷床の厚さの把握が必要となるほか,地球上の大気-海洋-氷床システムの水循環・固定のメカニズムを考える上で,氷床の存在や消長にかかわる内部物理メカニズムの理解は欠かせない.国立極地研究所では,氷床探査を目的とした多種類のレーダーを長い間使用してきた.本報告では,ドームふじでの氷床深層掘削が本格化した1990年代以降を振り返り,この間の氷床探査レーダーの開発状況,仕様や,運用状況,主たる成果について記述する.特に,探査目的に応じて使用周波数を多周波とし,さらには電磁波の偏波面に依存する情報の活用を進めてきたことについ...
Main Authors: | , |
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Format: | Report |
Language: | Japanese |
Published: |
情報・システム研究機構国立極地研究所
2008
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Subjects: | |
Online Access: | https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=9449 http://id.nii.ac.jp/1291/00009449/ https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=9449&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1 |
Summary: | 南極大陸は基盤上の厚く広大な氷に象徴される大陸である.南極における種々の科学調査で氷床の厚さの把握が必要となるほか,地球上の大気-海洋-氷床システムの水循環・固定のメカニズムを考える上で,氷床の存在や消長にかかわる内部物理メカニズムの理解は欠かせない.国立極地研究所では,氷床探査を目的とした多種類のレーダーを長い間使用してきた.本報告では,ドームふじでの氷床深層掘削が本格化した1990年代以降を振り返り,この間の氷床探査レーダーの開発状況,仕様や,運用状況,主たる成果について記述する.特に,探査目的に応じて使用周波数を多周波とし,さらには電磁波の偏波面に依存する情報の活用を進めてきたことについて解説をする.また,近年は電力のみではなく位相情報の検知もできるレーダーの運用を開始したことについても述べる.将来の氷床探査での発展的な活用をにらみ,現状を説明する資料の提示を目的とする. Antarctica is a continent characterized by the huge ice mass above the bedrock. Better understanding the internal physical mechanism for existence and changes is essential to study how ice is fixed on the continent in water cycles in the atmosphere-ocean-ice system on the earth. The National Institute of Polar Research, Tokyo, has a long history of using ice sounding radar to study the ice sheet. This paper gives a brief history of the development, specifications, observations and major results. In particular, it explains the use of multiple frequencies and polarization planes. This paper also comments on the recent use of phase information in addition to power information. I hope that this document will be useful for future use of the radar. |
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