ナンキョク エンガン ノ スカーレン フキン ニ オケル コオリ ノ リュウソク ソクテイ ケッカ ニオン ナンキョク チイキ カンソクタイ ノ ホウコウ

P(論文) 昭和基地南方約70kmの海岸にある露岩スカーレン(69°40'S, 39°25'E)の,東側と西側に流出する氷の流動速度を,1969年2月5日,10月12日および1970年2月4日の測量結果から算出した.測量は,スカーレンのふたつの基点から,氷の表面に立てた6本の標識ポールの位置を,ウィルドT2経緯儀で測角して求めた.これらの標識ポールは,海岸からの距離1~1.5km,高度140~160m,表面傾斜5~15°のところに設置した.えられた流速は,年間2~7mで,平均約4mとなり,今までに報告された南極氷床沿岸部の氷床の流速に比べてかなり小さい.これは,測定地点がス...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 上田, 豊, アゲタ, ユタカ, 成瀬, 廉二, ナルセ, レンジ, AGETA, Yutaka, NARUSE, Renji
Language:English
Published: 国立極地研究所 1971
Subjects:
Online Access:https://nipr.repo.nii.ac.jp/record/7643/files/KJ00002476643.pdf
https://doi.org/10.15094/00007643
https://nipr.repo.nii.ac.jp/records/7643
Description
Summary:P(論文) 昭和基地南方約70kmの海岸にある露岩スカーレン(69°40'S, 39°25'E)の,東側と西側に流出する氷の流動速度を,1969年2月5日,10月12日および1970年2月4日の測量結果から算出した.測量は,スカーレンのふたつの基点から,氷の表面に立てた6本の標識ポールの位置を,ウィルドT2経緯儀で測角して求めた.これらの標識ポールは,海岸からの距離1~1.5km,高度140~160m,表面傾斜5~15°のところに設置した.えられた流速は,年間2~7mで,平均約4mとなり,今までに報告された南極氷床沿岸部の氷床の流速に比べてかなり小さい.これは,測定地点がスカーレンの露岩に近いところであったため,岩盤によって氷の流動が妨げられているからと考えられる.また,それぞれの標識ポールについて,2月から10月にかけての流速と,10月から翌年2月にかけての流速との間には,ほとんど差がみられなかった. departmental bulletin paper