Earthquake Activity in Antarctica (Reports of the Japanese Antarctic Research Expedition)

世界の地震観測網が整備され,地球上に起こるマグニチュード5以上の地震は,ほとんど観測されるようになった今日でも,南極大陸およびその周辺に震源の決まった地震はない.しかし,南極各基地の地震観測の報告をみると,南極の基地だけにしか観測されないような,小さな地震が起こっているらしい.そこで,USCGSから発行されている"The Antarctic Seismological Bulletin"の資料に基づいて,震源の決定を試みた.少なくとも4点以上の基地で観測されているものにつき,その深さを33kmと仮定し,震央と発震時を求めた.震源決定を試みた地震72個のうち,24個の震央のみ...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 神沼 克伊, 石田 瑞穂, Katsutada KAMINUMA, Mizuho ISHIDA
Format: Report
Language:English
Published: 東京大学地震研究所 1971
Subjects:
Online Access:https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_uri&item_id=7642
http://id.nii.ac.jp/1291/00007642/
https://nipr.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=7642&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1
Description
Summary:世界の地震観測網が整備され,地球上に起こるマグニチュード5以上の地震は,ほとんど観測されるようになった今日でも,南極大陸およびその周辺に震源の決まった地震はない.しかし,南極各基地の地震観測の報告をみると,南極の基地だけにしか観測されないような,小さな地震が起こっているらしい.そこで,USCGSから発行されている"The Antarctic Seismological Bulletin"の資料に基づいて,震源の決定を試みた.少なくとも4点以上の基地で観測されているものにつき,その深さを33kmと仮定し,震央と発震時を求めた.震源決定を試みた地震72個のうち,24個の震央のみを,誤差±100km,O-C residual3秒以内で決めることができた.24個の地震のほとんどの震央は,大陸周辺に存在する地震帯の上に決まった.しかし,1個だけではあるが,南極大陸内に震源が決まった地震がある.この震源精度を確かめるために,多くの震源を仮定し,O-C residualの自乗平均値を調べた.その結果,この地震は大陸内20°W, 80°S,深さ1kmに起こり,マグニチュード4.3であることが分かった.現在の地震観測網では,震源を決められない小さな地震が,南極大陸に起こっていることは確実である.