On the Owl as the Symbol and Motif (in Japanese)

1. フクロウStrix uralensis (フクロウ目Strigiformes フクロウ科Strigidae 英名Ural Owl)その他のフクロウ類の, 国内・国外におけるシンボルやモチーフとしての現状について, 資料を収集し, 考察した。 2. わが国では現在, ことに岩手県内を中心にフクロウをシンボルやモチーフとした置物・飾り物・民芸品・マスコット・文具・日用品などが, プロンズ・鉄製品・陶器・木工製品・和紙面などとして製作されており, このことには特に宮沢賢治の童話と, 賢治の木菟のスケッチが, 大きな役割を果たしている。宮沢賢治生誕百周年の1996年には, ことにフクロウ製品が増...

Full description

Bibliographic Details
Main Author: 小野, 泰正
Format: Other/Unknown Material
Language:Japanese
Published: 岩手大学人文社会科学部 1996
Subjects:
051
Online Access:https://iwate-u.repo.nii.ac.jp/record/13439/files/al-no59p121-131.pdf
Description
Summary:1. フクロウStrix uralensis (フクロウ目Strigiformes フクロウ科Strigidae 英名Ural Owl)その他のフクロウ類の, 国内・国外におけるシンボルやモチーフとしての現状について, 資料を収集し, 考察した。 2. わが国では現在, ことに岩手県内を中心にフクロウをシンボルやモチーフとした置物・飾り物・民芸品・マスコット・文具・日用品などが, プロンズ・鉄製品・陶器・木工製品・和紙面などとして製作されており, このことには特に宮沢賢治の童話と, 賢治の木菟のスケッチが, 大きな役割を果たしている。宮沢賢治生誕百周年の1996年には, ことにフクロウ製品が増加した。 3. 海外ではギリシャとイタリアの製品に, 古代ギリシャのコインに描かれたフクロウをモチーフとしたものが目立つ。これは, フクロウがアテネの守護神AthenaとローマのMinerva,即ち学問・知識・技術・工芸・芸術の女神のシンボルであることによる。女神に由来するフクロウの両眼周りには, 放射状の線が細かく描かれている。これは眼の周囲の羽毛の生え方を写しとって表現したものと考える。しかし日本のフクロウ作品には, このタイプはほとんど無い。ほかにイタリアには, 写実的な陶器などの小物が多い。 4. フクロウ製品は, 他のヨーロッパ諸国, アメリカ合衆国, 中南米諸国, 中国, 東南アジア諸国と広く存在する。そしてことに中南米諸国. 中国, 東南アジア諸国の製品には, 各国各地域の特徴ある素材と手法が反映してる。 5. フクロウとミミズクの区別はヨーロッパにはないが, 両者が識別されてきた国内でも,シンボル・モチーフにおいては, 実際には両者の形態や嗚き声などでの混同・合成, あるいはイメージとしての一体化が成立してるとが認められた。 departmental bulletin paper