ロシア極東タイガにおける更新動態の特徴とクローン成長による個体群維持機構について

ロシア極東部のタイガの更新動態の特徴について, 筆者らがカムチャッカ半島で行った研究を中心に考察した. タイガには山火事による一斉更新プロセスと山火事の合間に生じる連続的プロセスが存在し, 連続的プロセスの中でギャップ更新が進まず倒木更新や前生稚樹更新および地際萌芽からの更新が支配的であること, 稚樹が同種の成木林冠下に集中分布するため空間構造の変化が起きにくいことが指摘された. また, シラカンバやヤマナラシのクローン成長戦略は山火事後の一斉更新において大きな役割を果たし広葉樹優占林分を成立させる主要因となり, 山火事の大半を占める表層火災は相対的にタイガの植生を針広混交林から広葉樹の萌芽林...

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Bibliographic Details
Main Author: 本間, 航介
Format: Article in Journal/Newspaper
Language:Japanese
Published: 北海道大学低温科学研究所
Subjects:
400
Online Access:http://hdl.handle.net/2115/59094
https://doi.org/10.14943/lowtemsci.73.133