セダンカ村のイテリメンの民話

本稿では筆者が1999年8月に記録したイテリメンの民話3編を紹介する。記録地はロシア連邦カムチャツカ州コリヤーク自治管区チギリ村、語り手はアグラフエーナ・ダニロヴナ・イワショヴァ氏である。イワショヴァ氏は1934年、セダンカ・オセードラヤ村生まれの女性(調査時65歳)で、イテリメン語北部方言(セダンカ方言)の話者である。3編ともイテリメン語による語りを、1.「ほくろ」と2.「コケとツンドラ」はビデオ録画し、3.「海の精」はDATにより録音した。以下はイワショヴァ氏自身がイテリメン語テキストにつけたロシア語逐語訳を参考に、筆者が和訳したものである。イテリメン語テキストについては別の機会に公表した...

Full description

Bibliographic Details
Main Authors: 小野, 智香子, ONO,Chikako
Format: Report
Language:Japanese
Published: 千葉大学ユーラシア言語文化論講座 2000
Subjects:
Online Access:https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900023305/
https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900023305/KJ00004165988.pdf
Description
Summary:本稿では筆者が1999年8月に記録したイテリメンの民話3編を紹介する。記録地はロシア連邦カムチャツカ州コリヤーク自治管区チギリ村、語り手はアグラフエーナ・ダニロヴナ・イワショヴァ氏である。イワショヴァ氏は1934年、セダンカ・オセードラヤ村生まれの女性(調査時65歳)で、イテリメン語北部方言(セダンカ方言)の話者である。3編ともイテリメン語による語りを、1.「ほくろ」と2.「コケとツンドラ」はビデオ録画し、3.「海の精」はDATにより録音した。以下はイワショヴァ氏自身がイテリメン語テキストにつけたロシア語逐語訳を参考に、筆者が和訳したものである。イテリメン語テキストについては別の機会に公表したい。